2020.02.13						 /  ワイシャツのボタンの基礎知識
目次
♦動画目次
00:00 ワイシャツのボタンの基礎知識とozie│オジエで使っているボタンについて〜2023年版
 01:11 ボタンで使われている素材について
 08:37 ポリエステルボタンと貝ボタンのメリット・デメリット
 09:55 ozie│オジエではボタンの素材をどう使い分けているか?
 16:35 まとめ
♦ボタンで使われている素材について
大きく分けて貝ボタンとポリエステルボタン=いわゆるプラスチックボタンとよく言われているものに分かれます。
 その他にも木材や金属のを使ったボタンもありますが、ワイシャツ用のボタンでは貝とポリエステル、ほぼこの2種類が使われていると言っても過言ではありません。
 ポリエステルを使用したボタンは再生ポリエステル樹脂を使用したものがあるものの、基本的にはポリエステル樹脂1種類と考えていいですが、貝ボタンは主に4種類にあります。
①ポリエステル

ワイシャツで一番よく使われているボタンの素材がポリエステルです。
 人工的に作るので、貝ボタンに似せた見栄えで均一的に作ることができますし、安価に大量に作ることができるのが一番よく使われている理由です。
 またポリエステルのボタンは簡単に染めることができることから、一般的にカラーボタンにはポリエステルが用いられます。
②高瀬貝

貝ボタンというとこの高瀬貝であることが多いくらい、貝ボタンでは一般的に使われている素材で、大きな巻き貝から作られます。
 貝ボタンとしてよく使われる理由は、大きな巻き貝から作るため供給量が多く、あくまで貝ボタンの中では比較的手頃な価格で入手できることが上げられます。
 また貝ボタンは柔らかく、強度が弱いですが、貝ボタンの中では高瀬貝が一番強度が強いというのもよく使われている理由の一つでしょう。
 見た目の特徴としては、色味がやや黄色っぽいこと、ボタンの裏側に貝の表面の赤や緑色の殻がマーブル状に残っていることが多いです。
 なので高瀬貝かどうかは、裏側を見ると判別しやすいです。
 ただごく稀に一手間かけて裏側を削って殻の色が残らないようにしている高瀬貝もあるようです。
 この場合は色味で判断するしかないですね。
③白蝶貝

高瀬貝より高価で高級な貝ボタンが白蝶貝です。
 白蝶貝が高瀬貝より高価な理由は2つあって、一つは高瀬貝の逆で供給量が少ないこと。
 白蝶貝はボタンの原料となる貝の中で最高級と言われている真珠の母貝=二枚貝から作られます。
 ということから白蝶貝のボタンはマザーオブパールと呼ばれています。
 高価な二枚貝から取っているのと、二枚貝は巻き貝より大きさが小さく、一つの貝から取れる量が少ないために高価になります。
 もう一つの理由は高瀬貝以上に美しい光沢を放つこと。
 高瀬貝より白度が高く、高瀬貝と比較すると見た目の高級感がまるで違います。
④黒蝶貝

黒蝶真珠の母貝から取れたものが黒蝶貝ボタンです。
 黒という文字が使われているので真っ黒いボタンかと思いきや、光沢感と相成ってグレーっぽい色合いのボタンになります。
 色以外の特徴は白蝶貝と同じです。
⑤茶蝶貝

マベ貝という真珠の母貝から取れたものが茶蝶貝で、光沢のある茶色っぽい色合いのボタンとなります。
 こちらも色以外の特徴は白蝶貝と同じです。
♦ポリエステルボタンと貝ボタンのメリット・デメリット
《ポリエステルボタンのメリット・デメリット》
 メリット=衝撃や圧力に強い、割れにくい
 デメリット=見た目が画一的。貝ボタンのような高級感や味はない。
《貝ボタンのメリット・デメリット》
 メリット=天然の貝からとっているだけあって、光沢があって一つ一つの表情が違うため見栄えがよく味がある。
 デメリット=衝撃や圧力に弱い
♦オジエではボタンの素材をどう使い分けているか?
ボタンにはそれぞれメリットデメリットがあるため、見栄えを取るか丈夫さを取るか?がボタン選びのポイントとなります。
 ozieでは高級素材を使用しているシャツは貝ボタン、それ以外のシャツはポリエステルボタンを使用しています。
 ということでほとんどのシャツはポリエステルボタンを使用しています。
 理由はなぜかというと、貝ボタンは割れることがあるのですが、ポリエステルボタンは割れにくいためです。
家庭洗濯では洗濯機が業務用に比べて小さいため、割れたりかけたりということは少ないですが、クリーニングに出すとたまに割れたり欠けたというご連絡をお客様より頂戴したり、クリーニング店より直接ボタンを割ってしまったとご報告いただくこともあります。
《なぜクリーニング屋さんに出す方が貝ボタンは割れやすいのか?》
クリーニング店にはカフスのシワを伸ばす専用の機械があります。
 この台に使われているスポンジが取り替えないと硬くなってきてプレスと挟まれて割れてしまうことがあるようです。
また、カフスだけでなく衿や前立て部分の貝ボタンが損傷することもございます。
 これはクリーニングですとプレス機で挟んでシャツを乾かし型を付けるため、その時の衝撃で割れてしまうのではないかと思います。
 要因は他にもあるかもしれませんがここでは一例をあげました。
 ※要因についてはすべてのクリーニング店が対象という訳ではございません。予めご了承ください。
対処法として、クリーニング回収直後にご自身でボタンが割れていないかどうか確認をすることが一番です。
 戻ってきて着用しようと思って仕上げをあけたらボタンが割れていたと気が付くことが多いようです。
 個人的にはボタンが割れていたら仕上げの時に気が付かないかなと思ったりもするのですが。
 おそらくはクリーニングについている紙札が付いていればそのままお店にもっていけば大体は保証してくれると思います。
 あとはクリーニングに出す際に一言店員さんに貝ボタンの旨を伝えるのもいいかもしれません。
 通常コースですとそこまで気にしてくれるかどうかはわかりませんが。
 なのでボタンの厚さが3㎜以上と厚めの貝ボタンを使用しているイタリア製などの高価なワイシャツまたは、料金は高くなりますが、丁寧な扱いのコースを選ばれることをお勧めいたします。
対処法に関して言及しましたが、起こったときもしくは起こる前に都度対処法を行うのも、そしてそれをしても割れてしまったあとのことを考えると面倒であることは間違いないと思います。
 それがあってozieでは一部の高額商品を除く大半の商品でできる限りポリエステルのボタンを使うことにしております。
貝ボタンとポリエステルボタンを実際に並べて比較するとその違いはわかりやすいですが、最近のポリエステルボタンは画一的ではあれど、かなり貝の見栄えに近いくらい状況までレベルが上ってきています。
 写真で見たらその違いはあまりわからないレベルだと思います。
 ということは遠目から見たらそれほどは気が付かないレベルであるといえると思います。
 今後も大半で使っているポリエステルボタンのクオリティ向上を目指しつつ使っていきたいと思います。
♦まとめ
①ポリエステルボタンのメリット・デメリット
 メリット=衝撃や圧力に強い、割れにくい
 デメリット=見た目が画一的。貝ボタンのような高級感や味はない。
②貝ボタンのメリット・デメリット
 メリット=天然の貝からとっているだけあって、光沢があって一つ一つの表情が違うため見栄えがよく味がある。
 デメリット=衝撃や圧力に弱い
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