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オープン秘話

後編

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2002年、私は周囲の反対を押し切り、シャツのオンラインショップozieをオープンさせました。
ところが予想していたよりもずっと注文が少なく、赤字の日々が続いたのです。

ブランドのタグがなくても、いいシャツはある
不思議とあせりはありませんでした。
きっといつか売れるようになるはずだ。地道に続けていこう。 そう思っていました。
今思えば、「インターネットで服が売れるわけがない」という意見への反骨精神があったのかもしれません。
それ以上に、既存の流通に対する疑問や反発心がありました。
というのも、柳田織物に入社し、卸の仕事に携わった際、「会社規模が小さいから」という理由で店舗に商品をおいてもらえなかったり、いいシャツなのにブランドのタグがないから売れないと言われたり、悔しい経験をいくつもしていたからです。
大手企業がつくるブランド衣料だけが、いい服なのだろうか。
品質のいいシャツや個性のあるシャツを、安い価格で販売してほしいと思っている人がいるはず。
いつか必ず売れる日がくると信じて、シャツをつくり続けました。
ファッションはサイズ選びが重要
試行錯誤の日々が続き、1年(半年?)が経ったころ、シャツに関する知識コンテンツをつくろうと思いつきました。
私がバーニーズニューヨークに勤めていたころ、お客さまにアドバイスする歳、もっとも大事にしていたポイントは「サイズ」でした。
お客様が気に入った商品でも、サイズが合っていなければ
「ダメです。買うのをやめてください」
と正直に言い、似たテイストでサイズの合う服をご紹介していました。
そうした販売の経験や知識をオンラインショップにも生かそうと、自分のサイズを知る。正しいサイズの選び方というコンテンツをつくりました。 実際にサイズの選び方がわからないというお客さまは多く、とても喜ばれました。
役立つ知識コンテンツを増やす
それからは、生地の知識も必要だろう、カフス型についても知っておくと便利、も大事なポイントだな、とアイデアが浮かぶままにコンテンツを増やしていきました。
また、「結婚式や葬式で何を着ればいいかわからない」というお問い合わせが多かったことから、フォーマルスタイルを知るというコンテンツを作成しました。
正直に打ち明けますと、私は洋服への知識はあるのですが、どこまでをご紹介したらいいのかわかりませんでした。
お客さまが何を知らなくて、どこまで知りたいのか。
洋服に携わる人間にとっては当たり前に感じられてしまい、わざわざお伝えするほどのことでもないなと思ったことが、お客さまからのお問い合わせで「ああ、これをお伝えするとよろこばれるんだ」とわかったこともありました。
お客さまのお声には、大切なヒントが隠されています。ですから、質問をしてくださったりご意見をくださったりするお客さまは、本当に親切だと思います。
お客さまのお声には、大切なヒントが隠されています。
ですから、質問をしてくださったりご意見をくださったりするお客さまは、とてもありがたい存在だと思っています。
こうしてコンテンツを増やしていくことで、じょじょに売上が伸びていきました。といっても、この時点ではまだ赤字のままでした。
新聞に掲載され、爆発的に売れ始めた
状況が一変したのは2004年です。
当社の知識コンテンツを見て、新聞記者が取材に来ました。 シャツの選び方についての取材でした。
その記事が日本経済新聞別刷「NIKKEIプラスワン」に掲載されたとたん、注文が爆発的に増えたのです。
注文のメールが次々と届き、画面が流れるようにスクロールされていきました。うれしかったですよ。 新聞とはこんなに影響力があるのかと驚きましたね。
裏を返せば、当時はインターネットの信頼性が低かったということかもしれません。お金を振り込んだのに商品が届かないネット詐欺もありましたから。その点、新聞に載ったショップなら安心だ、というお客さまもいたのではないでしょうか。
※掲載記事はこちら
苦手なはずのメルマガを始めてみたら
2005年には、メールマガジンの配信を開始しました。
メルマガは時間と手間がかかりそうであまり乗り気ではなかったのですが、尊敬する方にすすめられて挑戦してみました。
すると、配信後に少しですが売上が上がったのです。メルマガを通して、お客さまからのお声が寄せられるようにもなりました。
効果が確認できたことで、メルマガの配信が楽しみになりました。以来、毎週欠かさず配信しています。
ozieのシャツがテレビドラマに
2005年にはもうひとつ新しい出来事がありました。
突然、「テレビドラマで使うシャツをお借りできませんか」という電話がかかってきたのです。
「腕の長い俳優さんに、サイズのあうシャツがなくて困っているんです」とのこと。まったく面識のないスタイリストさんでしたが、インターネットで当社のトールサイズのことを知ったそうです。
ozieという名前がテレビで流れるのは嬉しいと思い、快くお貸ししました。
ドラマが放映されると、お客さまから多少の反応はありましたが、売上に貢献するというほどではありませんでした。
せっかくなので、衣装を提供したことをコンテンツとしてサイトに載せておいたところ、1年ほど経ったころから「衣装を貸してほしい」という依頼が増えてきました。
ドラマへの衣装提供が増えるに従い、そのことを告知するサイトコンテンツも増えていきました。 その結果、お客さまから「有名なドラマで使われているなら信頼できる」「テレビで見たのと同じシャツが欲しい」といったお声が多く寄せられるようになったのです。
俳優さんが実際に着ているのを見ると、シャツのイメージがつかみやすいというお客さまもいらっしゃいました。そこで最近は、できるだけ放映の前にツイッターやメールマガジンで告知するようにしています。
「運も実力のうち」の意味
こんな風に新聞やテレビでozieのシャツを取り上げてもらえたことは幸運でした。
ただしこの幸運は、日々の取り組みやお客さまとの対話の積み重ねの結果です。売上のないときにコツコツとコンテンツをつくったからこそ、それを見た記者が取材に来てくれました。テレビに名前が出るようになったのも、もとはといえばお客さまと対話し、トールサイズのシャツをつくっていたからです。(※トールサイズ誕生のいきさつはこちら
もし、何もしていなかったら、今のozieはなかったでしょうね。
私の座右の銘は「運も実力のうち」と「人事を尽くして天命を待つ」です。
えっ、運まかせなの? と驚かれるかもしれませんが、そうではありません。幸運は準備をしているところにやってくるもの。準備も努力もしていない人に、幸運はまず訪れません。たまたま幸運が訪れたとしても、用意がなければ生かすことは難しいでしょう。
準備や努力は実力ですから、そこに付随してくる幸運も実力のうちなのです。やれることをやった上で、最後に運を待とう。そう思っています。
やめなかったから、今がある
オープンから9年が経ちました。ここまでこられた一番の要因は、なんといっても「やめなかった」からだと思います。
ozieと同時期にスタートしたオンラインショップのいくつかは、半年程度で撤退していきました。
商品がなかなか売れず、セールを連発するところが多かったように思います。しかし当時はインターネットで洋服を買う人の数自体が少なかったので、セールをしても売上はたいして伸びません。利益だけが薄くなるという悪循環でした。
私たちozieは目先の売上よりも、この事業をとにかく続けて育てようという思いでやってきました。
利益が出なくても、続けさせてくれた社長や社員のみんなに感謝しています。
いいシャツを安くお届けしたい。
こんなシャツがあったらいいなを実現したい。
スタート時からの思いは変わっていません。 これからもシャツのクオリティを守りながら、新しい挑戦を続けていきたいと思っています。

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