2026.08.21 カジュアルOKなのに、なぜ注意される?2026年版 結婚式の服装とドレスコード
結婚式の招待状に、「当日はカジュアルな服装でお越しください」あるいは、「平服でお気軽にご参加ください」と書かれていたら、皆さんは何を着ていきますか?
スーツでいいのか?
それともジャケットにノーネクタイがいいのか?
シャツ一枚でもOKなのか?
スニーカーやデニムでも大丈夫なのか?
参加するのに服装を自由にしてもらったはずなのに、逆にどうしていいか迷う方、結構多いと思います。
そして式当日、にカジュアルなスタイルで参列したら、新郎新婦からは何も言われなかったのに、親族やほかの参加者から、「その服装は少しカジュアルすぎるんじゃない?」と言われることもあるそうです。
なぜ、カジュアルOKなのに注意されるのでしょうか。
今回の動画では、昨年2025年に実施された結婚式の服装に関する調査をもとに、主催者側と参加者側で、服装に対する考え方がどう違うのかを見ていきます。
先に結論を申し上げると、現在の問題は、結婚式の服装が自由になったことではありません。
自由になったのに、その基準が全員に共有されていないことです。
主催者はどう伝えればよいのか。
参加者は何を基準に判断すればよいのか。
結婚式の服装で本当に起きている問題を、立場の違いから整理します。

目次
♦動画目次
00:00 オープニング
02:20 調査結果
04:24 主催者が考える「自由」と、参加者が感じる「自由」は違う
05:55 問題は「節度」という言葉にある
07:31 新郎新婦がOKでも、それだけでは終わらない
08:53 結婚式の形式そのものが一つではなくなった
10:18 主催者側がやるべきこと
13:00 式の形式別・ドレスコード文例
14:30 参加者側はどう判断すればよいのか
16:43 結局、誰の責任なのか
17:36 まとめ
♦調査結果
今回参考にするのは、結婚式場探しのサービス「トキハナ」が2025年5月に実施したインターネット調査です。
対象は、結婚式を実施した20代から30代の男女216人。
216人という規模ですので、この数字だけで日本中の結婚式がすべてこうなった、と断定することはできません。
ただし、現在の結婚式で起きている服装の迷いを考えるうえでは、非常に興味深い結果が出ています。

主な数字は3つです。
①57.9%が、カジュアルな服装を認められた結婚式に参加した経験がある。
②自分が主催する場合、75.5%が「節度があれば、参加者のカジュアルな服装を歓迎したい」と回答している。
③その一方で、50.5%が、結婚式に参加した際の服装について、誰かから指摘を受けた経験がある。
一見すると、少し矛盾しているように見えます。
主催者の4人に3人ほどは、カジュアルな服装でも構わないと考えている。
ところが、参加したときには、2人に1人ほどが服装について何か言われている。
ここに、現在の結婚式の難しさがあります。
数字の読み方で注意したいことを誤解のないように、少し補足します。
57.9%という数字は、開催された結婚式の57.9%がカジュアルだった、という意味ではありません。
回答者の57.9%に、カジュアルな服装が認められた結婚式へ参加した経験が一度以上ある、という意味です。
また、50.5%の人が、カジュアルOKとされたその同じ結婚式で注意された、と確認されたわけでもありません。
調査では、それぞれ別の経験、別の質問として尋ねています。
したがって、「カジュアルOKと言われたのに、半数が当日注意された」
と説明してしまうと、数字を強く言いすぎることになります。
では、この調査から何が分かるのか。
それは、服装の自由化が進んでいる一方で、参加者の側には、服装について指摘された記憶や不安がかなり残っている、ということです。
しかも、この調査の回答者は、主催者だけの集団と参加者だけの集団に分かれているわけではありません。
結婚式を実施した人たちに、主催者としての考えと、参加者としての経験の両方を尋ねています。
つまり、世代や人の違いだけではなく、同じ人でも、主催する立場と参加する立場で見え方が変わる可能性があるということです。

♦主催者が考える「自由」と、参加者が感じる「自由」は違う
では、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。
主催者、つまり新郎新婦が「カジュアルでいい」と考えるとき、その背景には、以下のような気持ちがあると思います。
「ゲストに堅苦しい思いをしてほしくない」
「自分たちらしい雰囲気にしたい」
「レストランやガーデンなので、かしこまりすぎなくていい」
「服装の準備で負担をかけたくない」
主催者にとっての自由は、参加者への気遣いや歓迎の意思です。
しかし、参加者から見ると、同じ「自由」が違う意味になります。

参加者が知りたいのは、自由であることよりも、「最低限、どこまでは整える必要があるのか」という境界線です。
・ジャケットは必要なのか。
・ネクタイはなくてよいのか、それとも、なくても失礼ではないという程度なのか。
・革靴でなくてもよいのか。
この基準が分からないまま「自由です」と言われると、参加者はどうしていいかわからない上に判断の責任だけが残ります。
主催者は、カジュアルでいいと言うことで、選択肢を増やしたつもりです。
しかし参加者は、どこまでカジュアルにしていいかという正解を自分で探す判断をしなければいけない面倒くささを感じることがあるようです。
ここが、主催者側と参加者側の最も大きな違いです。
♦問題は「節度」という言葉にある
調査では、主催する側の75.5%の人が、「節度があれば、カジュアルな服装でも歓迎したい」と回答しています。
私は、この結果で最も重要なのは、75.5%という数字だけではなく、「節度があれば」という条件だと思います。
多くの主催者は、何を着ても構わないと答えたわけではありません。
カジュアルでもよい。
ただし、節度は守ってほしい。
問題は、その節度の範囲の捉え方が人によって違うことです。
ある人にとっては、ノーネクタイでもジャケットを着ていれば節度がある。
別の人にとっては、結婚式なのだからネクタイは必要。
ある人にとっては、きれいな白いレザースニーカーなら問題ない。
別の人にとっては、スニーカーという時点で結婚式にはふさわしくない。
主催者が頭の中で想像している「カジュアル」と、参加者が想像する「カジュアル」は、同じとは限りません。
逆を言えば、主催者の中でも24.5%は、節度があったとしてもカジュアルな服装を歓迎したいとは答えていません。
若い世代なら全員が服装の自由化を望んでいる、という話でもないのです。
したがって、これからの結婚式では、「節度を守ってください」と参加者に任せるのではなく、主催者自身が、今回の式における節度の範囲を言葉にする必要があるのではと思っています。

♦新郎新婦がOKでも、それだけでは終わらない
もう一つ重要なのは、結婚式の服装を見ているのが、新郎新婦だけではないことです。
調査では、服装を指摘した相手として、親や祖父母などの親族が多く挙げられています。
指摘の内容では、以下のような内容が挙げられています。
「色がふさわしくない」
「カジュアルすぎる」
「露出が多い」
結婚式は、新郎新婦が主催する場です。
しかし現実には、両家の親、祖父母、親族、会社の上司、友人など、異なる価値観を持つ人が同じ場所に集まります。
新郎新婦が、「私たちは気にしません」と思っていても、ほかの人が同じ基準で見てくれるとは限りません。
ここで、親族世代が古い、若い世代が正しい、と単純に分けるべきではないと思います。
若い主催者は、ゲストの快適さや自分たちらしさを重視する。
一方、親族の側は、結婚式を個人のパーティーだけではなく、両家が人を迎える式典として見ていることがあります。
どちらにも、それぞれの理由があります。
ただし、基準が違う人たちを招くことが分かっている以上、調整する責任は主催者側にあります。
「自由にしてよいと書いたので、あとは参加者が判断してください」では、参加者を守ることができません。

♦結婚式の形式そのものが一つではなくなった
こうした問題が起きる背景には、結婚式の形式が多様になったこともあります。
リクルート ブライダル総研が2026年1月に発表した「結婚マーケット調査2025」では、調査対象が見直されました。
従来の国内挙式や披露宴、ウエディングパーティーだけではなく、結婚を機に行う食事会、いわゆる会食スタイルの結婚式も対象に含めています。
従来型の披露宴だけでは、現在の結婚式全体を捉えにくくなったということです。

・ホテルの披露宴
・レストランでの少人数婚
・会費制のパーティー
・ガーデンウエディング
・家族だけの会食
同じ「結婚式」でも、会場、人数、進行、招かれる人、主催者の意向が違います。
そうなれば、すべての式に一つの服装ルールを当てはめるのは難しくなります。
以前は、式の形式が服装をある程度決めてくれました。
ホテルの披露宴ならダークスーツにネクタイ、と考えれば大きく外しにくかったです。
現在は、式の名前や会場だけでは判断しにくく、主催者がその式の基準を補う必要があります。
つまり、従来のマナーが消えたのではありません。
一つの共通マナーだけでは対応できない結婚式が増えたのです。
なお、この「結婚マーケット調査2025」は調査対象を大きく変更しているため、過去の調査との単純な時系列比較には適していない、と調査元も注意しています。
「会食婚が前年より何%増えた」といった使い方はできませんが、現在の市場を把握するために、会食スタイルまで調査対象に含める必要が生まれた。
この点に、多様化が表れています。
♦主催者側がやるべきこと
では、主催者側は何をすればよいのでしょうか。
大事なのは、服装を自由にすることだけではなく、自由の範囲を具体的に示すことです。

《1.「平服」「カジュアル」だけで終わらせない》
例えば、「平服でお気軽にお越しください」
これだけでは、男性がスーツを着るのか、ジャケットスタイルでよいのかが分かりません。
➡これを、「男性はダークスーツ、またはジャケットスタイルでお越しください。ネクタイは任意です。デニムとスニーカーはご遠慮ください」とすれば、判断しやすくなります。
自由にする場合こそ、何が必須で、何が任意で、何が避けてほしいものなのかを分けて書くことが重要です。
《2.最低ラインを伝える》
参加者が最も困るのは、どこまで崩してよいか分からないことです。
ですので、服装の最低ラインを伝えます。
・ジャケットは必須なのか
・ネクタイは必須、推奨、任意のどれか
・革靴以外もよいのか
・デニムは可能なのか
「自由です」よりも、「ジャケット着用であれば、ノーネクタイで構いません」の方が、参加者は安心できます。
《3.男性用と女性用の例をそれぞれ示す》
「スマートカジュアル」と書くだけでは、人によって解釈が違います。
可能であれば、Web招待状に男女それぞれの参考写真を載せる。
写真が難しければ、男性はジャケットとスラックス、女性はワンピースなど、文章で具体例を示します。
色のテーマがある場合も、服全体をその色にするのか、ネクタイやチーフなど小物一点でよいのかを伝えた方が親切です。
《4.両家の親と先に認識を合わせる》
これは非常に重要です。
参加者にカジュアルOKと伝える前に、両家の親にも服装方針を共有します。
新郎新婦はノーネクタイで構わないと思っている。
しかし当日、親がネクタイなしの参加者に違和感を持つ。
これは、参加者に責任はありません。
招待状を出す前に、「今回はこの程度の服装まで認めたい」と両家で確認しておくべきです。
《5.迷ったときの問い合わせ先を用意する》
服装について質問するのは、参加者にとって意外に気を使います。
Web招待状に、「服装に迷われた場合は、お気軽にお問い合わせください」と一文を入れておくだけでも、質問しやすくなります。
♦式の形式別・ドレスコード文例
式の形式別に文例をご紹介します。
《ホテルなど、格式を保ちたい場合》
「当日はセミフォーマルな装いでお越しください。男性はダークスーツにネクタイ着用、女性はワンピースまたはそれに準じる服装をお願いいたします。」
この場合は、無理に「お気軽に」と書かないことも親切です。
《レストランや少人数婚で、少し軽くしたい場合》
「男性はスーツ、またはジャケットとスラックスでお越しください。ネクタイは任意です。デニム、短パン、スポーツスニーカーはご遠慮ください。」
これなら、スーツでもジャケットスタイルでもよいことが分かります。
《ガーデンや会費制で、かなり自由にしたい場合》
「当日は屋外でのカジュアルなパーティーです。男性は襟付きシャツを基本とし、ジャケットとネクタイは任意です。きれいめなスニーカーは問題ありません。ブルーのアイテムを一点取り入れていただけるとうれしいです。」
ここまで書けば、参加者は服装を楽しみやすくなります。
大切なのは、難しいドレスコード用語を使うことではありません。
参加者が実際に服を選べる言葉になっているかどうかです。

♦参加者側はどう判断すればよいのか
一方で、参加者側にもできることがあります。

《1.フォーマルのドレスコード一般論より、主催者の具体的な指定を優先する》
結婚式の形式が多様になった現在、すべての式に共通する服装の正解はありません。
主催者から具体的な指定があれば、まずそれを優先します。
ただし、「自由」「平服」など曖昧な表現だけの場合は、それだけで大きく崩さない方が安全です。
《2.自分の立場を見る》
同じ式でも、友人と主賓、会社の上司、新郎新婦の兄弟では、求められる装いが同じとは限りません。
主賓や上司、親族として参加する場合は、一般の友人ゲストより一段きちんとした服装を選ぶ方が自然です。
《3.会場だけで決めない》
レストランだからノーネクタイ、ガーデンだからスニーカーでよい、と機械的に決めるのは危険です。
会場だけではなく、式の形式、時間帯、招かれる人、自分の役割を合わせて考えます。
《4.曖昧なら、具体的に質問する》
「何を着ればいいですか?」では、主催者も答えにくいものです。
「ネイビーのジャケットにグレーのスラックス、ノーネクタイで問題ないでしょうか」
というように、自分が考えている服装を具体的に示して確認すると、答えてもらいやすくなります。
《5.迷ったら、一段きちんと寄せる》
指定が曖昧で、確認も難しい場合は、少しだけフォーマル寄りにします。
結婚式では、少しきちんとしすぎることより、意図せず軽く見えてしまうことの方が修正しにくいからです。
・ノーネクタイでもよいか分からなければ、ネクタイを持参する。
・シャツ一枚か迷ったら、ジャケットを着る。
・スニーカーでよいか分からなければ、革靴を選ぶ。
ただし、主催者から色やテーマの指定がある場合は、その意向を無視して昔ながらの服装に戻せばよい、という意味ではありません。
指定された範囲の中で、一段きちんと整えるということです。
♦結局、何が問題なのか
ここまで聞くと、以下のように思われるかもしれません。
「カジュアルOKと言った主催者が悪いのか」
「注意した親族が厳しすぎるのか」
「服装を間違えた参加者が悪いのか」
しかし、誰か一人のマナーの問題として片づけると、本質を見失います。
問題は、同じ言葉を使いながら、それぞれが別の基準を想像していることです。
・主催者は「自由に楽しんでほしい」と考える。
・参加者は「失礼を避けたい」と考える。
・親族は「式典として礼を保ってほしい」と考える。
目的が違うため、同じ服装を見ても評価が分かれます。
そして、この三者をつなぐ役割を持つのが、ドレスコードです。
ドレスコードは、参加者を縛るための規則ではありません。
参加者が安心して選べるようにする、共通言語です。
自由度が高い結婚式ほど、ドレスコードは不要になるのではなく、むしろ具体的に必要になります。
1.主催者の意向
2.参加者の安心
3.親族の納得
この3つをつなぐのが、具体的なドレスコードです。

♦まとめ
今回は、2025年の調査結果をもとに、結婚式の服装について、主催者側と参加者側の考え方の違いを見てきました。
調査では、以下の結果が出ています。
①57.9%が、カジュアルな服装を認められた結婚式への参加経験がある
②75.5%が、自分が主催するなら、節度があればカジュアルな服装を歓迎したい
③一方で50.5%が、参加した際の服装について指摘された経験がある
この数字が示しているのは、単純にマナーが古い、若い人が自由になった、ということではありません。
主催者にとっての自由は、参加者への気遣いです。
参加者にとっての自由は、基準がなければ自己責任になります。
そして親族にとって結婚式は、今も両家が人を迎える式典という側面があります。
だからこそ、
「平服で」「カジュアルで」「節度のある服装で」という曖昧な言葉だけでは、足りなくなっています。
これからの結婚式で必要なのは、昔のマナーをすべて捨てることでも、全員を一つの服装に戻すことでもありません。
主催者が、今回の結婚式では何を大切にし、どこまで崩してよいのかを具体的に伝えることです。
そして参加者は、主催者の意向、自分の立場、式の形式を見て判断する。
最後に、
結婚式の服装マナーがなくなったのではありません。
結婚式が多様になったからこそ、その式ごとのマナーを共有する必要が生まれたのです。
自由にするなら、基準まで伝える。
これが、2026年の結婚式の服装で、主催者側にも参加者側にも必要な考え方だと思います。

♦参考資料
●トキハナ調査
株式会社トキハナ「結婚式の列席衣装で意外な事実が判明!」(2025年5月28日)
調査期間:2025年5月16日〜5月23日
調査方法:インターネットリサーチ、自社サンプリング
調査対象:結婚式を実施した20代〜30代の男女
有効回答者数:216人
性別:男性33.2%、女性66.8%
年代:20代38.7%、30代61.3%
●リクルート ブライダル総研
リクルート ブライダル総研「結婚マーケット調査2025」
2026年1月22日発表。
2025年度から従来の調査を統合再編し、ゼクシィ利用者中心から結婚市場全体を反映する対象へ拡大。
トレンド編は、国内挙式、披露宴・ウエディングパーティーに加え、結婚を機とした食事会も対象。
調査対象の変更により、過去データとの単純な時系列比較には適さない。
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